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自立支援は介護保険の根源

「自立支援」とはどういうことを言うのでしょうか。

以前は、自立とは「自分のことを自分でする」ととらえられていました。

しかし、さまざまな理由から自立をもっと広い意味でとらえる考え方が生まれ、現在では自立を「自己選択」「自己決定」「自己遂行」というように総合的にとらえる考え方に変化しています。

したがって、自立支援とは「『自己選択』を支援する」「『自己決定』を支援する」「『自己遂行』を支援する」ことだと言えます。



認知症ケアの7つの視点

認知症の方へのケアでは、認知機能などの低下をできるだけ防ぐとともに、低下しても安心して生活が続けられるよう支援することが大切です。

そのためには、本人の残存能力を最大限に生かし、ケアの方法や環境設定などを工夫する必要があります。

その際は、以下の7つの視点で考えましょう。



認知症ケアも一般のケアも “基本は同じ”

認知症のケアもほかの疾患のケアも基本的な考え方は同じ

必要なケアを提供しつつ、訓練やリハビリで機能の改善を目指し、残存機能の活用と環境やかかわり方を工夫してできることを増やし(または低下を遅らせ)、自宅での活動・参加を改善するとともに、本人の生活・人生が充実する(QOLが向上する)目標を設定し、それを達成していきます。



ブルー・オーシャン戦略

競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン」とした上で、競争のない未開拓市場を「ブルー・オーシャン」と呼びます。つまり、「ブルー・オーシャン戦略」とは、「競争のない新たな市場・顧客を創り出すための方法論」を指します。

ブルー・オーシャン戦略でポイントになるのは、「新たな価値を低コストで提供する」ということです。

既存の介護保険サービス、特にデイサービスは全国各地に約45,000ヵ所あります。

これは、全国各地のコンビニの数と同等です。

ということは、デイサービス単独の事業は「レッド・オーシャン」となります。

下記を参考として、地域の中、介護保険外サービスの中、介護保険サービスとしての「ブルー・オーシャン」をマーケティングしてみるのも、事業戦略の一つかもしれません。


自立支援型デイへのはじめの一歩はアセスメント力アップ

介護サービス事業者・介護従事者は、自分らしく生きることができるはずなのに、老いや病気、障害によって自立性を発揮することができなくなってしまった利用者に対し、施設内外の資源を活かし、自立性を取り戻すことへと導けるよう、人生の過ごし方に寄り添うアセスメントを行えるようになることが必要です。

実際に自立支援に取り組もうとすると、ご利用者からは「夢なんてないよ」「人生もうたくさん」といった声ばかりが聞こえてきます。

そのような声に対し介護従事者は、アクテビティや行事などで寄り添い、つかの間の「笑顔」を引き出して対応してきました。

もちろんこれも成果の一つです。



過剰介護について

【過剰介護が望ましくない理由】

「過剰介護」は、本人の残存機能を発揮する機会を奪うことになり、その状態が続くと、機能が低下する「生活不活発病(廃用性症候群)」が発生します。

例えば、自分の力でイスから立ち上がらないでいると、徐々に下肢の筋力が落ちてきて、やがてはイスから立ち上がれなくなってしまうなどが挙げられます。

生活不活発病による機能低下で、今までできていたことまでできなくなってしまうのです。



「大切な人」「大切な生活」「大切な人生」…として関わる

介護は人とと深くかかわり合うサービスです。

物は、壊しても修理できますし、買い替えることもできます。

しかし、人の人生は修理できませんし、買い替えることもできません。


私たちが利用者に関わるということは、その人のお金(介護保険料自己負担分や自費負担分)だけでなく、限りある人生の時間を使っているということです。


「他の介護職員がかかわってくれたら、もっと有意義な人生が送れたのに…」


と思われないようにしなければいけません。


「あなたが関わってくれたから、良い人生が送れました」

「あなたが担当してくれたから、楽しい生活にかわりました」


と言っていただけるような関りを目指しましょう。


私たちは、つい人を「色眼鏡」で見てしまいがちです。



介護人材の需要

厚生労働省は2021年7月9日(金)、自治体が最新の介護保険事業計画(第8期)に盛り込んだ今後のサービス提供の見込み量を基に、新たな介護職員の必要数を公表しました。


■都道府県が推計した介護職員の必要数

2019年度時点の211万人を基準に算出

[2023年度]約233万人 +約22万人(5.5万人/年)

[2025年度]約243万人 +約32万人(5.3万人/年)

[2040年度]約280万人 +約69万人(3.3万人/年)

※介護職員の必要数は、介護保険給付の対象となる介護サービス事業所、介護保険施設に従事する介護職員の必要数に、介護予防・日常生活支援総合事業における従前の介護予防訪問介護等に相当するサービスに従事する介護職員の必要数を加えたもの。



目標の考え方

介護現場でのケアの流れは、「アセスメント」→「計画」→「実施」→「評価」 の流れに沿って行われます。

その中で、サービスを提供する従事者は、その人の生活を充実させる目標を立て、それを達成するというケアの基本「目標指向型アプローチ」を忘れずサービスを提供しなければなりません。

目標が変われば、ケアの内容も変わり、その後の本人の生活・人生も変化します。

目標は介護の中核を成すとても重要なものです。

したがって、きちんとした具体的な目標を立てることが必須となります。

みなさんが立てている目標は下記のように「あいまい」になっていませんか?

表現があいまいだと、「達成」「未達成」の判断ができなかったり、人によって評価の判断が変わってきます。



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