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【基準・算定要件Q&A】入浴介助加算のおさらい

入浴介助加算は、令和3年度介護報酬改定で自立支援の入浴介助を評価する(Ⅱ)が新設されました。

(Ⅱ)の算定に当たっては、居宅を訪問した上で入浴環境や動作を確認・評価し、それに基づいて自立支援の環境設定や介助方法などを決定する必要があります。


■入浴介助加算

・入浴介助加算(Ⅰ)…40単位/1日につき

・入浴介助加算(Ⅱ)…55単位/1日につき

※通所リハは60単位



【基準・算定要件Q&A】延長加算

8時間以上9時間未満の通所介護の前後に連続して日常生活上の世話をした場合に、5時間を限度として算定される。


■延長加算

・9時間以上10時間未満…50単位/回

・10時間以上11時間未満…100単位/回

・11時間以上12時間未満…150単位/回

・12時間以上13時間未満…200単位/回

・13時間以上14時間未満…250単位/回



【サービスの質向上】「課題解決型アプローチ」と「目標指向型アプローチ」

介護で中心となるのは「目標指向型アプローチ」

アプローチの方法には、本人が抱える問題点を探し出し、その問題点を課題としてとらえ解決することで、元の状態・より良い状態にしようとする「課題解決型アプローチ」があります。

課題解決型アプローチは、急性期医療でよく使用される考え方です。このアプローチで重要なことは「課題」が解決できることです。

解決できない課題の場合はこの手法は取れません。

課題解決型の視点でアプローチする例としては、生活不活発症候群(旧・廃用症候群)としての筋力低下に対して筋トレを実施したり、認知症のBPSD[認知症の行動と心理症状](旧・問題行動)を解消・改善したりすることが挙げられます。

一方、ある目標を設定し、その目標を達成することで、より良い状態をつくろうとする「目標指向型アプローチ」もあります。

介護では、高齢者の加齢現象や脳卒中の後遺症などの障害を対象とすることが多く、これらの現象・障害は「解決できない課題」であることがほとんどです。

したがって、介護では課題解決型アプローチを併用しつつ目標指向型アプローチを中心にして進めます。



【サービスの質向上】自己選択の支援

選択肢の設定

自己選択の支援で必要なことは、選択肢を設けることです。

選択肢がなければ、「選ぶ」という行為は不可能になるからです。

「自立支援」の第一歩として、さまざまな場面に選択肢を設定しましょう。


選択は、「その人らしさ」の支援にも必要

現在の私たちがあるのは、過去のさまざまな選択の積み重ねの結果です。

その人らしい服装、その人らしい髪形など、無限にある選択肢・可能性の中から、その都度選択してきた結果が今の自分であり、自分らしさになっています。

「その人らしさ」を支援するためにも選択肢は必須となります。



【サービスの質向上】目標が不適切だと介護そのものが不適切になる

介護は、ケアプランに沿って提供され、ケアプランには、「目標」と「目標を達成するために実施すること」などが記載されます。

目標の内容が変われば、提供されるケアも変わり、本人の人生も変化することになります。

目標が不適切だとケアプランも不適切となり、それを基に実施されるケアは不適切なものになってしまいます。


【ポイント】

・ケアはケアプランに基づいて実施される

・ケアプランには「目標」と「目標を達成するために実施すること」などを記載する

・「目標」が変われば「目標を達成するために実施すること」も変わる

・「目標」が不適切だと、「目標を達成するために実施すること」も不適切になる=ケアプランが不適切になる

・ケアプランが不適切だと、それに基づいて行われる日々のケアは不適切なものになってしまう


【サービスの質向上】アセスメントについて

アセスメントとは、聞き取りや各種評価・測定などによる情報収集をし、各評価やそれぞれの関係について把握、分析し、本人の全体像、本人のニーズを把握することです。


聞き取り・情報収集


本人・家族の希望(ウォンツ)は、重要な情報なので、必ず聞き取り調査します。

本人・家族の希望を聞くことで、本人や家族が、症状、障害、現在の生活をどのようにとらえているか、何を大切にしているか、将来の生活をどう考えているのかなどを推測することも可能です。

細かい言い回しが、心理状態を示していることも多いので、情報はできるだけ本人・家族の言葉そのままの表現で記録してください。

【例】

息子のAさんから「転倒すると入院とか面倒なので、歩く訓練はしないでください」と言われた。

→心理状態として本人の生活改善にはあまり関心がない?

→本人の機能改善よりも入院の費用が気になる?

などが読み取れる



【サービスの質向上】ケアの流れを再確認してますか?

介護では、利用者に関するさまざまな情報を収集し、本人に必要な課題を把握する「アセスメント」を行います。

そして、そのアセスメントを基に、目標と目標を達成するために実施することなどを記載したケアプランを作成し、そのケアプランに沿ってケアを提供していきます。

実施中に、ケアの方向性や内容などについて定期的に監視(モニタリング)し、一定の期間を経た後、再度利用者の状態について評価し、変化や効果を判定します。

ここではこのケアの流れを「アセスメント(A)」「ケアプラン(P)」「実行・モニタリング(D)」「再評価(C)」のAPDCサイクルと定義し、介護現場ではこの流れを繰り返していきます。



【サービスの質向上】モチベーションアップ

ケア場面では、下記の理由などから、本人の意欲を高めることが大切です。


【1】リハビリやケアの効果を高める

(1)実施頻度、継続率、訓練の充実度などが高まる

(2)上記の結果、「目標達成率」が高まる

【2】本人にとってプラスの時間が増える

【3】他者への良好な影響

【4】その他



【サービスの質向上】生活を3つに分類して考える意味

生活を支援するのが介護の役割です。

生活は、さまざまな行為・活動からなります。

私たちは生活の中のどの行為・活動の支援に注力したらよいのでしょうか。

とを求めています。


「生活」の分類


一般的に生活は、「基礎生活」「社会生活」「自由生活」の3つに分類できます。


基礎生活

基礎生活とは、トイレに行く、お風呂に入る、食事をする、寝るなど、いわゆるADLなどの時間です。


社会生活

社会生活とは、働く、学校に行くなどの時間です。 ここでは義務的要素の強い仕事・学業を意味しています。

したがって、趣味の講座に参加する、知的好奇心を満たすために退職後に再び大学に通うなどは自由生活に含みます。


自由生活

自由生活とは、友だちとおしゃべりをする、趣味活動をする、おいしいものを食べに行く、好きなボランティア活動をするなどの時間です。



【サービスの質向上】自立支援で目指すもの

介護保険法では、【有する能力に応じた「自立した日常生活」】ができるよう支援することを求めています。


「有する能力に応じた」とは


本当にその人の能力を引き出しているか?環境の工夫でできることは増える!重度の方にも多くの能力がある!

介護サービスの利用者は、ほぼすべてのことが自分自身でできる方から食事や排せつなど多くのことに介助が必要な方などがいます。

つまり、人によって有する能力はさまざまです。

「有する能力に応じた自立した生活を営むことができるような支援」とは、たとえADLが全介助で寝たきりに近い方でも、その中で自立した日常生活を営めるように支援するということです。

また、本人ができることは環境によっても変わります。

私たちが環境を工夫することで本人ができることも増えます。



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