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高齢者施設等の従事者等に対する集中的検査の対象施設の拡大

2021年5月28日(金)に厚生労働省は「高齢者施設等の従事者等に対する集中的検査の対象施設の拡大等について」を発出し、これまで入所・入居系施設サービスの職員を対象としていた集団検査の新たな対象として通所系サービスの職員を追加しました。



【サービスの質向上】食事での環境設定の工夫

皆さんは食事の際、「おいしかった!」「おいしくなかった…」という感想は言っても、「食事が進んだ」「食事があまり進まなかった」という感想を言う方はあまりいないと思います。

しかし、「おいしかった!」と思えたときは、その食材や料理だけでなく、食事をする環境、雰囲気、人、音、会話などもおいしさを引き立てていることを忘れてはいけないと思います。

食欲が増し、自ら「食べたい!」と思うような環境づくりについて考えていきましょう。



認知症伴走型支援事業の積極的な活用について

厚生労働省は認知症総合戦略推進事業の一つとして、認知症の高齢者やその家族らを支える体制の充実を図る目的として2021年5月14日(金)に「認知症伴走型支援事業の積極的な活用について」の通知を発出しました。

認知症伴走型支援事業とは、グループホームや小規模多機能型居宅介護、特別養護老人ホームなどの認知症介護の専門的知識を持ち合わせる職員が既存の地域資源に相談拠点を設ける取り組みを後押しすることで認知症の方本人や家族に対して、継続的に支援をしていくという事業です。

事業費は自治体が委託金(必要となる人件費や間接経費などを半額補助)を払う形態となります。


(以下参照)

【厚生労働省通知】

令和3年5月14日事務連絡

認知症高齢者や家族に対する伴走型支援拠点の整備の推進



【労務管理の落し穴】労災で休業中の職員が定年に達した場合、退職させてよいのか?

【事例】


デイサービス事業所Yに勤務している介護職員のNさん(女性、正規職員69歳)が仕事中に転倒し、左腕を骨折しました(全治6ヶ月)。

施設では労災の申請をし、現在施設を休業し実家で療養しています。

当施設の就業規則には「満年齢で70歳に到達した日の翌日をもって定年とする」との規定があり、今まではすべての職員が定年により退職していましたが、Nさんの休業期間中に当施設で定める定年になることは確実な状況です。

当施設ではNさんの定年に関する手続きを進めていましたが、Nさんの娘様より労働災害で休業している期間中は定年を適用させることはできないのではないかとのご指摘がありました。

法的にはどうなのでしょうか?



【利用者を増やす㊙営業術】第29回 包括報酬系・入居系で利益を出している事業所がやっていること!

包括報酬系で何でも屋をやると必ず業績が悪化します



通所介護等の出来高サービスは、1回あたり◯◯円というモデルのため、来なかったら売上無し、来たら売上が上がります。

逆に、包括報酬系のサービス(小多機等)は、月単位の請求なので、月に1回しか来なくてもドカンと定額で売上が上がります。


これらの算定構造の違いから分かる包括報酬系のサービスの特徴は


「訪問・通い・泊まり」などの複合的なサービスが、毎月定額で使いたい放題※である、ということです。

※小多機等の泊まりや、食事代は出来高で請求する場合が多い


飲食店チェーン等で提供されている「食べ放題サービス」と同じ算定構造だと思えば分かりやすいですね👍


これらのような、包括報酬型のサービスで業績を高めようと思ったら


サービス提供を過剰に行わないようにする必要があります。


これは◯◯し放題サービスが、経営を継続させるために欠かせないポイントです!

それぞれの包括報酬系サービスについて、具体的にどのくらいの数字に抑えるべきなのか、どの業績指標を用いて管理すべきなのか

等、皆さんが当該サービスを運営していく上で役に立つポイントを紹介していきますので、最後まで読んで頂ければ嬉しいです。


複合型サービスで重要なのは「サービス活動収益」を管理すること


先述したように、複合型サービスが提供している「包括報酬系のサービス」は、稼働1回あたりの「サービス活動収益」を管理

することが大切です。


サービス活動収益とは、サービスを提供して得られた売上高をサービス回数で割り戻すことで、1回サービス当たりの収益性を

判断することができる経営指標です。


分かりやすく例にあげた「食べ放題サービス」で説明をしますが

1,500円で食べ放題を提供しているお店の1人前が500円の売価だと仮定します。

500円の商品を提供する場合のFLコストは60%が適正値と言われているので、原価費用は300円、粗利が200円だとしましょう。

この場合、店側が通常単価での販売よりも損をしてしまうサービス回数は4人前からになりますよね?

 

つまり、この単価設定でサービス提供をしているお店であれば、サービス活動収益の適正値は、延提供回数から平均3人前までで、

利益としては、客あたり600円以上を目指す必要がある訳です。


では、初めから単品提供すればいいのに!と思うかもしれませんが

「食べ放題をお得だと感じる顧客」がターゲットですし、店側もそんなお客様の期待を損ねてしまわないように企業努力をする必要が

ありますから、店側の努力の集大成が包括報酬モデルとも言える訳です。


小規模多機能で言えば、ご利用者1人あたりの通所回数及び訪問回数が、通常の地域密着型通所介護と訪問介護のサービス利用料

と比較して大きく乖離しないようにする必要があります。

この観点から見ても、小規模多機能だから何でもすればいいというビジネスモデルではなく、小規模多機能も自立支援を促進し、

ご利用者のできることを増やしたり、機能を維持する観点が必要であると分かりますね。


入居系で重要なのは「ネット利回り」と「空室リスク」を考えて居室単価設定を行うこと


入居系の事業所で重要なのは、居室あたりの利用料設定です。

利用料としては「家賃」「光熱費」「食費」が代表的ですが、これらから得られる年間売上を、運営費を差し引いて、購入価格で割り戻し

て得られた数値をネット利回りと言います。


例えば、購入価格1億円の建物で居室数が20部屋、1部屋/月あたり家賃50,000円、公共料金30,000円、食費50,000円と仮定すると

1人あたりのインカムゲイン(家賃収入)は130,000円、建物全体の月間収益額は260万円となります。

ここから、食費のFLコスト60%と、管理費用を対売上80%とすると月間利益は72万円なので、年間利益は864万円となります。

この金額を購入価格の1億円で割り戻すと、8.64%というネット利回りが算出されます。


このネット利回りは物件の持つ収益回収力を示し、広島県のワンルームだと相場は6.10%程度なので、仮定した施設はかなり利回りが

高くて優秀ですが、同時に利回りが相場よりも高いと空室リスクが大きくなってくるので、相場の利回りを超過しすぎず、

ネット利回りは低くならない値を想定した、建築費用と家賃設定をする必要があります。


また、このネット利回りは債務履行能力も判断できる要素となります。

入居系の施設は、ハードに大きなコストが発生するので、借入先からの融資を資本の大半として投資すると思います※。

※今回の記事では、各省庁の補助金等は考慮しないこととします


仮に、自己資金なしで設備投資資金1億円を返済期間20年、据置2年、元金均等、金利1%で借り入れて投資したとしましょう。

すると、3年目から555万円/年の借入金返済が発生することになります。

この返済を毎年、内部留保していける経営状態で維持しようと思うとネット利回りが5.5%は必要となります※。

※もちろんCF(キャシュフロー)を考慮するとDep(減価償却費)が足し戻されるので、もう少し低くても問題は無いです

このような考え方でネット利回りを管理できると、黒字だけど債務履行が間に合わない状態を防ぐこともできるので、とても

重要ですし、債務履行を考慮した空室リスクを考えるべきなので、利益を出すにはネット利回りを考慮して管理することが重要

だと考えます。


逆に、債務履行を考えず、黒字だからと言って甘く管理していると、プライマリーバランスが崩れてしまい

最悪の場合、債務不履行(デフォルト)の状態となってしまいます。


また、空室リスクの想定も重要です。

空室リスクとは何かというと、ミクロマーケット(局地的な市場)における、平均空室率から、自施設の空室状況もそれと等しく

なる可能性のことを指し、収益性を高めるためには空室リスクを考慮した収益設定をする必要があります。


例えば、当社が位置する広島県福山市では、空室リスクが約2.0部屋あります。

よって、先程仮定した施設であれば、20部屋が定員だけれど、18部屋でネット利回り5.5%以上を上げる必要があると分かります。

そして、20部屋中18部屋の契約状態であれば、入居率は90%なので、毎月2部屋以上の空きを出さないように空室管理を行う必要

がある訳です。


このように、ネット利回り(グロス利回りでは不十分)や、空室リスクを正しく理解して管理することで、経常的に利益性の高い

体質で運営をすることができると思います。

まだまだ、入居系ではEGI(実行総収入)やGPI(総潜在賃料収入)等、恒常的な経営を継続するために把握しておかなければいけない

要素がたくさんあるので、不動産や会計に関する勉強も行ってみることをオススメします!


ここまでで、利益性の高い事業所のハード面・管理・考え方について学んで頂けたと思うので、実際の介護保険サービスを運営

するにあたって役立つ実践的な方法をお伝えしていこうと思います。

ぜひ、最後まで見て活用して頂きたいです。



【保険外サービスについて】物販・移動販売について

地域の高齢化や食料品店の減少、商店街の衰退などにより、日々の食料品や日用品の買い物に不便や苦労を感じている人は多く、「食料品アクセス問題」や「買い物弱者」として社会問題にもなっています。

デイサービスなどの利用者も例外ではなく、買い物に行くことができない、または難しい方も多く、その支援の一環として、デイ内での物販や、移動販売サービスなどを行っている事業所もあります。


【最近の動向】

● コロナによる外出不安や自粛などで買い物弱者が増加・顕在化。デイ利用者だけでなく、地域の高齢者などにも買い物に困っている人が多い

● 「移動販売車の導入・運営」は増加傾向にあり、助成金などの支援を実施する自治体も増えている

● 介護事業者による物販・移動販売サービス事業への参入が増加。施設利用者だけでなく、地域の方にも喜ばれる取り組みとなっている



新型コロナウイルス感染症に関する自主的な自費検査に対する助成について

新型コロナウイルス感染症が各地で感染拡大しており、同居家族の感染や利用者の感染ケースが増えていま。

場合によっては、保健所が検査指示を出さず経過観察の陽性者もいるため、自費でのPCR検査を受ける場合も出てきてと思います。

この場合、一定の要件を満たせば自費検査について補助を受けることができます。


(以下参照)

【介護保険最新情報Vol.978】

令和3年5月18日事務連絡

高齢者施設等において新型コロナウイルス感染症の感染者が発生した場合等に活用することができる制度等について



【労務管理の落し穴】パート職員への不合理な待遇差が禁止されているが、どう対応すれば良いの?

【事例】


デイサービス事業所T(以下、施設)では、常勤の正職員5名と非常勤のパート職員10名の合計15名が勤務しています。

大企業は2020年4月1日から、中小企業は2021年4月から同じ施設で働く正職員とパート職員との間で基本給や賞与、手当など、あらゆる待遇について不合理な差を設けることが禁止されていると聞きました。

当施設では、正職員は月給制、パート職員は時間給制で、賞与は年2回、正職員には基本給の4月~6月分を支給し、パート職員には一律で各賞与月に5,000円の寸志を支給しています。

通勤手当は正職員・パート職員とも同一の額です。

こういった状況で1ヵ月過ぎてしまいましたが、中小企業の当施設では2021年4月1日から、どう対処すべきなのでしょうか。



【スタッフマネジメント】「仕事できないなー」と感じる人が職場にいる方へ<チームビルディング>

チームで仕事をするとはどういうことか → 多様性を認めることが重要



みなさんこんにちは!!

株式会社QOLサービス経営企画の相田です。

今回は営業記事ではなく、サービス根幹部分のチームビルディングについて書いていこうと思います。


介護保険サービスも他の事業体も共通しているのは「チームで顧客の課題解決に取り組むこと」です。

それなのにも関わらず、社会には「チームで仕事をすることが辛くなってしまった」そんな人がたくさんいます。


令和元年度介護労働実態調査によると、介護関連の仕事を辞めた理由の順位を見ることができます(n=5,579)。

1位:職場の人間関係に問題があった(23.2%)

2位:結婚・出産・妊娠・育児のため(20.4%)

3位:法人理念・運営の在り方への疑問(17.4%)


ここから見ても分かるように、人間関係の問題が離職に繋がっているケースは多いです。


具体的にどんな問題で辞めているのかというと(通所系:n=6,875)

1位:自分と合わない上司や同僚がいる(21.2%)

2位:ケアの方法等について意見交換が不十分である(20.9%)

3位:経営層や管理職等の管理能力が低い、業務の指示が不明瞭、不十分である(20.3%)


これらの内容から読み解けることは


管理職の能力が低くて、嫌になって、コミュニケーションが減ったことで業務上必要な意見交換ができず泥沼化


これ、よくあります。

ただ、これ管理職が全て悪いのかと言えばそうでもないんです・・・


管理職は管理職で「部下の指導が難しい」と悩んでいます。


・私が新人の頃は分からないことはきちんと調べてから先輩に聞くようにしていたのに

・なんでこんな簡単なことが分からないの?できないの?

・どうすれば自分で考えて動いてくれるんだろう

・相談して!勝手なことしないでーー!!

・こんな忙しい時に、面倒見きれない!


このような感情を抱きながら、日々後輩職員の指導・育成に取り組んでいるのです。


「だから上手くいかないんです」


「私なら」

「私になら」

「私の時は」


こうやって自分や他人と比較して、そのフィルターごしに職員を見ている時点で上手くいきません。

そもそも、チームで動くということは、多様な人間が集まるということです。

生まれも、育ちも、趣味嗜好も、年齢も、性別も、価値観も全てが異なっていて当たり前なんです。


ジャニーズが好きだ!という人もいれば、韓流スターが好きだ!という人もいるでしょう。

それなのに、

私は韓流スターが好きなのに、なんであの人はジャニーズなのよ!と怒ってしまう人がたくさんいるのです。


チームマネジメントをする上で重要なこと(根幹部分)は


「多様性を認めること」です!!


その上で以下のことを実施することが大切となります。


① その人の能力に見合った適切な配置を行うこと

② 存在・意識・プロセス・結果についての承認行動を行うこと


この①~②を多様性を認めたうえで実施することができれば、雰囲気の悪いチームには絶対ならないと思います。

それぞれが、それぞれの働き方に満足し、役割を理解し、意見し合える

そんなチームを作っていくためのヒントになると思いますので、ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いです。



個別機能訓練加算(Ⅰ)について

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A Vol.3 (令和3年3月26日)発出の問58「管理者が専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を兼務した場合の個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又はロの算定」についての解釈について、勤務形態として管理者の時間と個別機能訓練加算(Ⅰ)イ、ロの加算要件の機能訓練指導員の時間を切り分けて勤務している場合、それぞれの業務に支障が無いと自治体が認めれば、管理者が加算要件の機能訓練指導員の要件を満たしていれば、加算要件の機能訓練指導員に従事できるとのことです。
(2021年5月14日(金)16:45に厚生労働省に確認済)


認められる場合の勤務形態例は下記の通りです。



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