【スタッフマネジメント】「グレー職員」は事業所に悪影響を与える【「労働能力欠如型」、「セクハラ・パワハラ型」、「私生活上の問題行動型」への注意・指導、あるいは懲戒処分などの仕方について】
グレー職員の各類型に共通する注意・指導の仕方と、「勤怠不良型」の説明は前回しましたので、今回は残りの各類型(「労働能力欠如型」、「セクハラ・パワハラ型」、「私生活上の問題行動型」)のポイントを説明します。
前回の記事はこちら
グレー職員の各類型に共通する注意・指導の仕方と、「勤怠不良型」の説明は前回しましたので、今回は残りの各類型(「労働能力欠如型」、「セクハラ・パワハラ型」、「私生活上の問題行動型」)のポイントを説明します。
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機能低下に対するケアでは、「機能が低下したときにどのような症状が出るか」という視点から、事前にその症状の発生を予防する観点でケアを提供することも必要です。
【時の見当識の低下で出てくる症状例】
・約束した時間を間違える
・通院の時間はまだかと何度も頻繁に言う
・営業時間外にデイに行こうとする
・夕方に朝食の準備をしたり、朝刊を取りに行ったりするなどの不適切な活動
・昼夜逆転
・夏に何枚も服を重ね着する
・冬に半袖1枚でいるなどの衣服の混乱
場所の見当識とは自分がいる所や場が認識できる能力のことです。
一般的には、場所についての見当識は一つの要素として扱いますが、ここでは「場の見当識」と「所の見当識」に分類しています。
場所の見当識
(1)「場」の見当識
「場」の基本状況把握…公的な場か私的な場か、天気・温度・湿気はどうか など
上記のほかに「過去・現在・未来」といった時間的経過区分が含まれる場合もあります。
(2)「所」の見当識
「所」の基本状況把握…どこの県、市、町か建物の何階か など
グレー職員を下記の4つに類型化し対応を説明してきましたが、今回は注意・指導、あるいは懲戒処分などの仕方について説明し、実践的に対応できるようにしたいと思います。
【勤怠不良型編】はこちら
【労働能力欠如型編】はこちら
【セクハラ・パワハラ型編】はこちら
【私生活上の問題行動型編】はこちら
「私生活上の問題行動型」のグレー職員への対応
次のA〜Cのような案件は悩ましいです。
【A】営業機密は漏えいしていないが、ソーシャルメディアなどで社内の事情を掲載している
【B】社外で新興宗教や政治活動などの勧誘行為を繰り返す
【C】社外で盗撮行為をして警察に逮捕された
「セクハラ・パワハラ型」のグレー職員への対応
セクハラとは、「相手が望まない性的な言動を行うこと」を指します。
厚生労働省は、職場におけるセクハラを、相手が望まない性的な言動を行いそれを拒否するなどの対応によって、解雇や降格、減給などの不利益を受ける(対価型セクシャルハラスメント)と性的な言動を行って職場環境を不快にし、働く人の能力の発揮に悪影響を生じさせる(環境型セクシャルハラスメント)に分類しています。
「労働能力欠如型」のグレー職員への対応
例えば、
【1】業務指示には従うが、ふて腐れた態度を取る
【2】業務はこなしているが聞くまで連絡・報告がない
【3】社外の人への態度が悪く評判が悪いあるいは社内での評価が悪い
といった職員がいたら、職場のモラルは低下し、【3】などでは対外的信用を損なう恐れもあります。
問題職員とまでは言えないが、それに近いグレー職員にどう対応したらよいでしょうか。
グレー職員とは、例えばいつも始業ギリギリに出社する、あるいは「電車遅延」「道路が混んでいた」を理由にした遅刻が多い、業務指示には従うものの、ふて腐れた態度を取る、業務はこなしているが聞くまで連絡・報告がない、社外の人への態度が悪いため評判が悪く、社内での評判も悪い、セクハラ・パワハラ一歩手前の行動を取る、機密は明かしていないがソーシャルメディアなどで、社内の事情を掲載している、などの職員を指します。
このような職員を放置しておけば、その問題行動が改善されることなく永遠に続くことになります。
【心身機能の定義】
心身機能とは、身体系の生理的機能(心理的機能を含む)です。
身体構造とは、器官・肢体とその構成部分などの、身体の解剖学的部分です。
【機能障害の定義】
機能障害(構造障害を含む)とは、著しい変異や喪失などといった、心身機能または身体構造上の問題です。
身体機能には、筋力、筋持久力、関節可動域、体力、柔軟性、バランス感覚などがあり、精神機能には、記憶、注意、認知、感情などがあります。
■見当識障害と認知症
見当識とは、自分がいる場所や日時などの基本的状況を把握する能力のことです。
ICF(国際生活機能分類)では、「自己、他者、時間、周囲環境との関係を知り、確かめる全般的精神機能」と説明されています。
見当識には「時の見当識」「場所の見当識」「人の見当識」があります。