認知症理解の8大法則・1原則

2022.03.09

第1法則: 記憶障害に関する法則


■記銘力低下

話したことも、見たことも、行ったことも直後に忘れてしまうほどのひどい物忘れ。


■全体記憶の障害

食べたことなど、体験したこと全体を忘れてしまう。


■記憶の逆行性喪失

現在から過去にさかのぼって忘れていくのが特徴。



第2法則 : 症状の出現強度に関する法則


より身近な者に対して認知症の症状がより強く出る。


第3法則 : 自己有利の法則


自分にとって不利なことは認めない。


第4法則 : まだら症状の法則


正常な部分と認知症として理解すべき部分とが混在する。

初期から末期まで通してみられる。


第5法則 : 感情残像の法則


言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れる(記銘力低下の特徴)が、感情は残像のように残る。

理性の世界から感情の世界へ。

(A)ほめる、感謝する

(B)同情(相づちをうつ)

(C)共感(「よかったね」を付け加える)

(D)謝る、事実でなくても認める、嘘をつく(悪役を演じる俳優の気持ちで)


第6法則 : こだわりの法則


ひとつのことにいつまでもこだわり続ける。

説得や否定はこだわりを強めるのみ。本人が安心できるようにもっていくことが大切。

(A)そのままにしておく

(B)第三者に登場してもらう

(C)場面転換をする

(D)地域の協力、理解を得る

(E)一手だけ先手を打つ

(F)お年寄りの過去を知る

(G)長期間は続かないと割り切る


第7法則 : 認知症症状の了解可能性に関する法則


老年期の知的機能低下の特性から全ての認知症の症状が理解・説明できる。


第8法則 : 衰弱の進行に関する法則


認知症の人の老化の速度は非常に速く、認知症になっていない人の約3倍のスピード。


介護に関する原則


認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。

その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする。