民生委員の欠員は15,000人

2023.01.19

厚生労働省は2023年1月13日、地域福祉の担い手である民生委員が15,000人欠員していると発表しました。

欠員は以前から続いていたものの3年前に比べ約32%増と深刻化が進んでいます。

民生委員は、独居高齢者を訪問したり、引きこもりや児童虐待に関する相談を受け、行政や福祉サービスに橋渡しするのが役割となっています。


■民生委員歴史

民生委員制度は、1917(大正6)年に岡山県で誕生した「済世顧問制度」を始まりとします。

翌1918(大正7)年には大阪府で「方面委員制度」が発足し、1928(昭和 3)年には方面委員制度が全国に普及しました。

1946(昭和21)年、民生委員令の公布により名称が現在の「民生委員」に改められました。

この間、一貫して生活困窮者の支援に取り組むとともに、とくに戦後は、時代の変化に応じて新たな活動に取り組むなど、地域の福祉増進のために常に重要な役割を果たしてきました。
【厚生労働省ホームページより】


月刊デイ編集長:妹尾弘幸の雑感


民生委員は無報酬のボランティア活動です。(交通費等は支給)

最も一般的で歴史あるボランティア活動でさえ、担い手が不足し、制度継続が危ぶまれてきています。

もっとも、民生委員の必要数は「世帯数」から計算されるため、高齢単身世帯等の増加と共に必要数が上がるため、対象者数と民生員の人数が一緒でも、世帯分離が増えれば、民生委員が不足するという事態が起きます。

但し、民生委員が不足するような状況下で、「ボランティア主体の集いの場」を中心とする場所へ要介護1.2の方の移行は非常に困難ではないでしょうか。