入浴事故防止への対応

2023.10.05

徐々に気温が下がり、涼しくなってきました。

「お風呂でしっかり温まっていただこう」と思う季節になってきます。

また11月になると更に気温が下がり「ヒートショック」の危険性も高まります。

今のうちに、入浴に関する様々なリスクに対し、再度対応策を構築しておきましょう。



過去の入浴事故の例


入浴中の80代の女性から目を離し、死亡させたとして警察は埼玉県川口市の介護老人施設の女性職員を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

川口市にある介護老人施設「かがやきの里」で、入所者の氷見タマ子さん(86)が浴槽の中で溺れているのが見つかり、その後、死亡しました。

氷見さんは車椅子専用の浴槽の中で胸と腹をベルトで固定されていたが、上半身がずれて横に傾き、顔を湯につけた状態で約3分間放置されていました。

埼玉県警は当時、氷見さんの入浴を担当していた女性職員(47)を注意義務を怠ったとして業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

女性職員は「他の入所者の脱衣介助のために目を離していました」と容疑を認めています。


通所介護施設で96歳が溺死、入浴時に職員離れ


名古屋朝日新聞 2019年3月19日


名古屋市北区鳩岡町1丁目の社会福祉法人「愛生福祉会」が運営する通所介護施設で1月末、96歳の女性利用者が入浴中に溺れて死亡する事故が起きていたことが、法人などへの取材で分かりました。

法人は愛知県警や名古屋市に事故を届け出ました。

事故があったのは、名古屋市東区筒井1丁目の「デイサービスセンター筒井」。

法人や施設によると、女性は1月31日正午前、職員の介助で、車いすに座った状態で利用できる浴槽に入った。入浴の際は職員が付き添わなければならなかったが、他の利用者も気になって浴室を離れたという。

別の職員が約2分後に浴室を見たところ、女性は顔が浴槽内のお湯につかった状態で、ほぼ意識がなかった。

女性は搬送先の病院で死亡しました。

事故当時は女性を含め27人が施設を利用し、国の人員基準を満たす職員6人で対応していたという。

施設長は取材に対し、「少しなら目を離しても大丈夫だろうという過信が職員にあった。大変申し訳なく思っている」と話しました。

愛生福祉会は、名古屋市や東京都品川区、横浜市で特別養護老人ホームや通所介護施設、薬局など20施設を運営している。

法人事務局財務・経理部の石川新二課長は「大切な利用者に対し、あってはならないこと。リスク(危険性)への意識を高めるよう各施設に指示した」と話しました。