ホスピス型老人ホームで不正等多発

2024.09.23

ホスピス型老人ホーム等で全国的に不正が多発しています。

また不正ではない、いわゆる「グレーゾーン」はそれ以上かと思われます。

人生の最期の時を迎える方にどのような生活を送ってほしいのか ?

どの様なケアプランを作り、どのような介護・看護サービスを届けたいのか ?

誤った介護・看護の現場で働くことで、最もダメージを受け、蝕まれるのは自分自身の「心」です。

「自分自身に」「自分の子供に」「伴侶に」「友人に」胸を張って誇れる仕事をしたいと思いませんか?



以下、報道されているニュースより。


【1】関西大手ホームでも過剰や不正か…入居者訪問看護「全て複数人に」

(20204.09.03:高知新聞を参照)


関西の有料老人ホーム運営大手「スーパー・コート」が、入居者への訪問看護について、必要性に関係なく100%複数人での訪問にするよう全社的に指示していたことが共同通信が入手した社内文書で分かりました。

過剰な診療報酬の請求に当たるとみられています。

このほか、複数の現・元社員が「看護師1人で訪問した場合でも『複数人で訪問した』という虚偽の記録を作り、診療報酬を不正に請求している」と証言しました。

スーパー・コートはホテルチェーン「スーパーホテル」と同一グループで、老人ホームやパーキンソン病専門住宅を約50カ所運営しています。

入居者向けの訪問看護ステーションも併設しています。

取材に対し「複数人での訪問に関する目標値は、必要な入居者全てに対応できるようにするためで、過剰な報酬請求には当たらないと考えている。不正請求の指摘については、会社の指示ではないことを明確に申し上げる」としています。

パーキンソン病といった難病や末期がんの人への訪問看護では、毎日3回まで診療報酬を請求でき、複数人で訪問すれば加算を得られる仕組みになっています。


【2】医療保険の訪問看護費10年間で5.4倍…不正・過剰請求が一因か

(20204.09.08:西日本新聞を参照)


看護師らが利用者の自宅などに行きケアする訪問看護で、医療保険適用型と介護保険適用型の2種類のうち、医療型の費用が過去10年間で5.4倍に増えたことが分かりました。

介護型の2.3倍を大幅に上回っています。

利用者数の増加が主な理由だが、1人当たりの費用も1.4倍に増え、押し上げ要因になっています。

厚生労働省の統計を共同通信が分析しました。

訪問看護を巡っては、医療保険が適用される精神科や難病・末期の人向け老人ホームで不正、過剰な診療報酬の請求が指摘されています。

利益を目的にした一部の事業者による制度の乱用も費用増加の一因とみられています。

財務省は医療財政の圧迫要因として問題視しています。


【3】訪問看護の最大手が過剰請求か…精神科「あやめ」が全社的に

(共同通信を参照)


精神科の訪問看護事業者で最大手とされる「ファーストナース」(東京)が、患者の症状や必要度に関係なく、可能な限り訪問回数を制度の上限である週3回にするよう全社的に看護師らに指示していたことがわかりました。

共同通信の取材に約10人の現・元社員が「3回は必要ない患者も多い」などと証言、過剰な診療報酬の請求に当たる可能性があります。

同社はここ数年で急成長し、「あやめ」という名称で東北から中国地方まで18都県で約240カ所の訪問看護ステーションを運営しています。

利用者は主に精神障害者で、1万人前後いるとみられています。

診療報酬の過剰な請求は架空請求などの不正とは異なるが、報酬は税金や保険料で賄われているため、国民負担が必要以上に増えることになります。

専門家は「事実であれば不適切だ」としています。

同社は取材に対し「症状などに鑑み、利用者に訪問回数の増加を提案することはあるが、(社員に)一律に指示することはない」と答えています。


【4】ホスピス型住宅、看護で不正…報酬目的、過剰に訪問

(共同通信を参照)


難病や末期がんの人を対象にした有料老人ホームや高齢者住宅で、大手を含む一部の運営会社が、医療保険の診療報酬を多く得る目的で虚偽の記録作成といった不正や、過剰とみられる訪問看護を入居者に実施していることが、複数の看護師らへの取材で分かりました。

これらのホームは「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、多死社会を迎えて近年急増しています。

不正、過剰な訪問看護は医療財政の圧迫要因になっているとも指摘されています。

訪問看護は介護保険が適用される場合と医療保険適用の2パターンがあり、高齢者は通常は介護保険が適用されます。

ただ難病や末期がんなどの場合は医療保険で、報酬も高めに設定されています。

厚生労働省の規定に基づき1日複数回、複数人で毎日訪問でき、その分報酬を受け取れるため、過剰な実施を招きやすいという構造的な問題も指摘されています。

大手の会社に3年前まで勤務した看護師は「記録上はどの入居者も1日3回、1回30分、複数人で訪問ということになっていたが、実際には5分で終わる場合もあった。複数人で訪問するのは一部の人だけだった」と証言しています。


【5】1人で5分の訪問看護、でも記録上は〝2人で30分〟…「患者や家族はおかしさに気付かない」ホスピス型住宅の「手厚い」ケア

(共同通信を参照)


末期がんや難病の高齢者を対象に、看取りに対応する有料老人ホームや高齢者住宅が近年、各地で増えています。

「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、高齢化による多死社会を迎えていることが背景にあります。

訪問看護・介護のステーションを併設していることが多く、運営事業者は「手厚い」ケアを謳っています。

事業者は看護・介護を提供すればするほど、公的な報酬をたくさん受け取れるため、業界ではビジネスモデルとして確立されており、中には報酬目当てで不正、過剰に訪問看護を提供している事業者もあります。

ところが、ほとんどの患者や家族は不審に思わず、行政のチェックも行き届いておらず、現場の看護師からは「やりたい放題。こんなのおかしい」との声が相次いでいます。

財務省は昨年11月、審議会で医療費を巡り適正化すべき項目の一つとして訪問看護を提示しています。

ホスピス型住宅の運営会社が一般の介護大手と比べて高い利益率を上げていることを指摘。

介護保険の場合は、要介護度に応じて利用限度額が設定されているが、医療保険にはそうした仕組みがないという制度的な課題も挙げています。

ホスピス型住宅の訪問看護の報酬について、実施すればするほど受け取れる現在の「出来高払い」ではなく、一定額の「包括払い」に変更すべきだとの提案が出ています。