70歳以上で歯があると安くなる保険運営の開始

2021.11.29

第一生命ホールディングス傘下のネオファースト生命保険は認知症を患うと一時金を支払う保険で、永久歯が70歳時点で20本以上残っていれば以後の保険料を1~3割程度安くする商品の取り扱いを12月から始める。

被保険者が認知症と診断され、公的介護保険で要介護1以上と認定されれば保険金を受け取れる。

例えば50歳の女性が200万円に設定して入った保険の場合、毎月の保険料は2364円だが、70歳の時点で永久歯が20本以上残っていると2020円になる設定となっている。

高齢になっても自分の歯でかむことができれば脳への刺激を保て、発症を抑えられる可能性も高まることに着目して開発したという。



上記に対する雑感


保険とは、「ある特定の「事故」に対して、事故に遭った当人だけでは負担が大きすぎるため、事故に遭っていない人も含めて、事前にみんなで負担を分かち合いましょう」という構造となっています。

そのため、「あらかじめ事故に遭う確率が低いとわかっている人と事故に遭う確率が高い人とで、負担額を変えましょう」という考え方も近年の保険では出てきています。

自動車の保険にも事故発生率が低い50代の保険料が安いものがあります。

将来は、介護保険や医療保険などにもこの考え方が取り入れられるかもしれません。

もしそのような議論が始まると、遺伝子情報などでのランク付け個人情報や差別を助長する危険性もはらんでいるため、この考え方を取り入れた制度設計であれば注意が必要です。