人件費・ガソリン代など上昇傾向
2022.06.16
バイトの時給が最高を更新
リクルートが2022年6月14日に発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の5月のアルバイト・パート募集時の平均時給が、前年同月比より31円(2.8%)高い1,123円で5ヵ月ぶりに過去最高を更新しました。
新型コロナウイルス感染症の行動制限が解除されたほか、訪日外国人の受け入れ再開などをにらんだ動きが関係しています。
2022年6月以降は飲食店だけでなく、ホテルやレジャー産業全体で人手不足が深刻になるとの予測も出ています。
医療・介護系の派遣時給が2.7%高
人材サービス大手のエン・ジャパンが2022年6月15日に発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の2022年5月の派遣社員の募集時平均時給で、「医療・介護系」は前年同月比36円(2.7%)高の1,363円でした。
新型コロナウイルス感染症による行動制限がなくなり、デイサービスや介護施設の利用者が戻りはじめ、各社が採用を強化したのが要因のようです。
「介護関連」では30円(2.3%)アップし、求人件数も前年同月から8割増となっています。
ガソリンの店頭価格:171.2円
資源エネルギー庁が2022年6月15日に発表した、レギュラーガソリンの店頭価格(全国平均2022年6月13日)は、前週に比べ1.4円高い171.2円/ℓでした。
政府による石油元売りへの補助額は38.8円で価格の抑制効果は39.4円となっています。
月刊デイ編集長:妹尾弘幸の雑感
派遣会社における派遣人材の賃金率は約75%程度なので、時給1,363円ということは、介護事業所が派遣会社に支払う料金は1,817円程度となります。
今後、更に人件費の上昇が予測されており、処遇改善加算や補助金などでの補填では賄うことができません。
併せて、ガソリン料金などの生活費の価格上昇も大きくなっています。
基本的に3年間、単価が固定される介護保険制度では、短期間での物価上昇への対応は困難です。
介護保険制度改定での根本的な対応が必要と思われます。