2022年上半期の介護事業所の倒産は前年度1.4倍
2022.08.08
東京商工リサーチの発表によると、2022年上半期に倒産した介護事業所は53件で、前年度同時期より15件増の1.4倍となり、負債総額は149億8500万円でこちらも前年度の約9倍になったと発表しました。
従業員別では、5人未満の事業所の動産が28件で最も多く、5人以上10人未満と10人以上20人未満が各9件と小規模事業者の倒産が大半を占めました。
一方で、20人以上50人未満の事業者の倒産が4件、50人以上300人未満の事業者が3件となっており、従業員の多い事業者での倒産も増えています。
地区別の倒産件数では、全国9地区のうち、北陸を除く8地区で倒産が発生しました。
最多は関東の16件で、中部と九州が各9件、近畿と中国が各6件、北海道の3件、東北と四国が各2件の倒産となっています。
都道府県別に見ると、神奈川の6件が最多で、大阪の4件、北海道と東京、愛知が各3件と続いています。
2015年以降、介護報酬が低い水準に据え置かれ、小規模事業者を中心に経営体力が弱まっているところに、利用者の減少やかかり増し経費(新型コロナ感染による通常の介護費用とは別の追加費用)増加というコロナ禍の影響、さらにコロナ支援策の縮小と物価高騰によるコスト増を事業者が被って倒産にいたるという有識者の指摘もあります。
3年間はサービス料金が一定である介護事業者は、価格転嫁が難しくコスト増加分がそのまま負担増に直結します。コロナ融資など資金調達枠が一杯で、資金繰りの悪化による倒産増が今後も見込まれます。