自立支援は介護保険の根源
2021.08.05
「自立支援」とはどういうことを言うのでしょうか。
以前は、自立とは「自分のことを自分でする」ととらえられていました。
しかし、さまざまな理由から自立をもっと広い意味でとらえる考え方が生まれ、現在では自立を「自己選択」「自己決定」「自己遂行」というように総合的にとらえる考え方に変化しています。
したがって、自立支援とは「『自己選択』を支援する」「『自己決定』を支援する」「『自己遂行』を支援する」ことだと言えます。
介護保険法
第1章 総則
(目的)
第一条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
(介護保険)
第二条
介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。
(~略~)
4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
上記法令を見ても分かるように、介護保険の目的は自立支援であり、提供されるサービス内容も自立支援に配慮する必要があります。
また、ここで注目すべき部分は「要介護状態となった者に対して、能力に応じ自立した生活を支援する」と述べられていることです。
この部分から、「介護が不必要な状態=自立した生活」ではないということや「自立支援とは、要介護状態の者を介護が必要でない状態にすること」ではないということが分かります。