【利用者を増やす㊙営業術(特別版)】今の時代で勝つにはマーケティング理論が必須
2021.09.26
マーケティングって難しく聞こえますが、結論からいうと
「お客様と"いかに信頼関係を構築できるか"」
ということです。
さらに、マーケティングという言葉は介護や医療業界とは程遠く感じますが、実は全てのサービスで全て使われています。
よくマーケティングと混同して営業をごちゃ混ぜにしている人がいますが、マーケティングはサービスが直接お客様に届き、報酬を頂くまでの過程に関連する概念です。
営業は、商品やサービスを販売する行動そのものです。
マーケティングと営業は別物であり、一連の「過程(マーケティング)」とその過程になる「手段(営業)」と考えると分かりやすいかもしれません。
皆さんが、普段スーパーで手に取っている商品や外食先で食べるランチにも全てマーケティング要素が仕込まれており、普段からそれに誘導されているもしくは必要性を感じ手に取っているのです。
すなわち、マーケティングが充実していれば、顧客が必要性を認識できるので、営業は必要なくなります。
環境を分析する3C分析
3C分析は「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」をそれぞれ分析していきます。
自事業所の市場(サービス提供エリア)はどこで、その中にどの程度のご利用者が見込まれていて、同一のサービスがどれだけあって、その中で自社はどれだけ特異性を持っていて、どこが弱点なのか。
これらを把握することが大切です。
例えば、稼働率が低い原因は「市場が悪いから」なのか「競合に負けているから」なのか、単なる自社サービスに問題があるだけなのか…。
どこに原因があるのか分析をして課題を見出すことが重要です。
サービスで自社がコントロールできる範囲を知る4P分析
4P分析は「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」をそれぞれ分析していきます。
介護事業は公的保険ビジネスであるため、PriceやPlaceは差別化が困難です。
例えば、「競合が入浴で400円か~、ならウチは200円!」といった価格競争はできません。
また基本的に居宅サービスの場合、ケアマネジャーという流通経路を基本的に通ってサービスが提供される(基本的には販売先を厳選することができないという意味)ので自分たちでコントロールするのは難しいです。
なので自社がコントロールできるのは
・製品(サービスを提供する人)
・プロモーション(宣伝活動)
この2つなんです。
すなわち「ケアの品質向上(人財育成)」と「プロモーション」に力を注げば良いんです。
そこだけに注力すれば良いので、一般の他産業より楽なんです。
お客様が自事業所と契約してくれるプロセスAIDMA(カスタマージャーニー)
お客様が貴事業所を知るには
「既に知っている」
「紹介を受ける」
「調べて見つける」
この3つしかありません。
お客様がサービスを利用するプロセスは「認知(Attention)」→「興味・関心(Interest)」→ 「欲しくなる(Desire)」 →「 記憶する(Memory)」→ 「契約(Action)」ような流れとなり、基本的には「認知してもらう」ことがスタート地点になります。
皆さまの事業所がある商圏には、皆さまの事業所を知るための仕掛けが街中やネットにどれくらいありますか?
その総数が、最終的な契約数に紐づいてくるんです。
上記の5つのフェーズに力を入れることが重要です。
AIDMAの一つひとつのフェーズに対して、具体的な仕掛けを作ることを"カスタマージャーニーを描く"と言います。
利用イメージが分かる仕掛けパーセプションフロー
お客様が商品の購入や、サービスの利用に至るまでの知覚刺激を与え、行動変容を促すキッカケを作ることをパーセプションフローと言います。
・お腹が空いている意識はなかったけど、いい香りがお店からしてきたから食欲をそそられた
・寿司を食べようとしていたけど、美味しそうな焼肉の香りがして焼肉を食べることに決めた
など自分の意識の外から、知覚刺激を与えて潜在顧客の行動変容を生み出す仕掛け作りも有効です。
「デイサービスに行きたくない!」
「そんなの通って何の意味があるのか分からない!」
ご利用者のこういった気持ちを
「デイに行きたい!」
「通わないとダメだなこりゃ!」
こういった気持ちに切り替えて頂くための仕掛け作りを実践していますか?
この仕掛けの数と質が、契約率アップや離反率ダウンに繋がっていきます。
具体的にするべきこと6選!
今回の記事の目的は、まず「マーケティング」という言葉・理論がこの世には存在していて、私たちが日常でしている購買・サービス利用行動の全てにマーケティングが仕込まれているんだと理解頂ければ十分です。
では、どのようなことが仕込まれているのかというと
・ 「市場」「競合」「自社」
・「製品」「価格」「流通」「販促」
・「AIDMA」
・「パーセプションフロー」
です。
今回の情報から実践してほしいことは以下の6つ!
(1)自事業所がある地域はそもそも利用者が多い地域なのか調べる(約◯人まで出す)
(2)競合の事業所が地域に何件あるか調べる(約◯件まで出す)
(3)自社の競合に勝っている部分(強み)と負けている部分(弱み)を分析する
(4)サービスの質向上とプロモーションを強化する
(5)自社プロモーション(認知)の仕掛けがどのくらいあるか調べ、不足していないか分析する
(6)ご利用者が通いたくなる仕掛けがどれだけあるか調べ、不足していないか、期待に添えているか分析する
これら6つの分析をして、不足している部分を強化することが必要です。
(1)であれば、商圏が生きていない地域であれば変える必要がありますし、少なくても同種の事業所が少なければ十分運営できる場合もあるでしょう。
自事業所の定員数の3倍の利用獲得見込が立つのであれば商圏として正常です(将来性も考慮する必要があります)。
(2)も自事業所にどれだけの利用者が回って来るのか上限をあらかじめ知ることができますし、同時に地域包括ケアセンターや居宅介護支援事業所数を知ることも紹介件数の上限をあらかじめ知ることができるので大切です。
場合によっては、居宅介護支援事業所を開設しケアマネジャーを自社採用した方が効果が出る場合もあります(もちろん利用調整は公平中立)
併せて(3)の競合分析は必ずしましょう!
同じように見えるデイサービスでも、提供している人財や提供しているサービス内容に同じものはありません。
3ー4時間のリハ特化型短時間を歌い短時間の機能訓練をミッチリ提供している事業所もあれば、7-8時間の利用で、機能訓練もしつつ、たくさんの仲間と社会交流を深める事業所もあると思います。
人手不足で、利用者ニーズに応えられないといった課題感を感じている事業所もあるでしょう。
これら一つひとつの問題点に対し、的確な対応をしていくことが利用者増への近道です。
人手不足なのに、サービスの質改善をいくらしても絶対値は変わらないので、直接的な課題を解決するため、採用活動に力を入れないといけないのです。
このように、(1)~(6)に対する分析を実施して、課題に気付くことを1番にしましょう!